映像化100%不可能

2007年12月11日
読書離れと言われて久しいですが、僕も本をむさぼり読むようになったのは、ここ5年くらい。
それまではめっきり映像。
映画ばかり観ていました。

大人になり、社会で生きていく知識の乏しさから新聞を読むようになり

なにげなく、論説なんかに興味を持ち

活字が苦手でなくなり

本屋のポップにやられて小説を読み始めて

あれからは、365日、必ず読み中の本が存在する。

そんな僕が出会った小説で、この伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」はスゴイ。
アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)/伊坂 幸太郎

なにがって、100%映像化不可能なのです。


なんで?って思いますでしょ?

僕も映像作る人ですが(インディーズ映画や、地方CM・・・)


ひとこと


やられた・・・


という映像作家完敗の小説


ご堪能あれ!

取り消したい時間あります?

2007年9月26日
残虐な殺人事件も、悲惨な戦争も、そのきっかけは、小さなものかもしれない。
朝食のパンに止まった一匹のハエかもしれない。

そんなプロローグはとても鮮烈だった。

タイトルどおり、そのきっかけを削除するというストーリー
削除ボーイズ0326/方波見 大志
¥1,470
Amazon.co.jp

このところ、タイムマシン系にはまってるわけじゃないんだけど、たまたま図書館に行ったら新刊で出てたから借りてみただけ。

プロローグは良かったけど

タイムマシン系か・・・

車椅子の少年とかでてくるし・・・

ん~、これで盲目の少女でも出てきたら読むのやめるか・・・

なんて思いながら読み進めていくと、はまった。

動物や人の死までコントロールし始めると、息を呑んだ。

さて、このKMDという削除装置。

今、手元にあったら、いつ、どこの時間3分26秒を消そうか・・・

悩めど悩めど消し去りたいような、そんな時間はない

前に、電車に乗っていたとき、向こうのホームから小さな子供が僕に手を振っていて僕も手を振り返した。

そしたら、それは、同じ車両に乗っていた子供のおばあちゃんにBYE2の手を振っていたことに気付いた。

あの時、あの瞬間はこの手を振っていた行動をなかったことのようにしたいと思ったけど、今思えば、貴重なネタだし、恥も失敗もすべては僕の要素。

多分、あの瞬間を消してしまったら、僕からひとつ、ネタがなくなって、それから、今より心がちょっとだけ弱くなるような気がする。

ただ、大事な人を事故で失えば、使うんじゃないかな・・・KMD。

夢の装置か、悪の装置かは、読んでみてくださいな。

踊る大捜査線の本広監督の「サマータイムマシンブルース」

2007年9月8日
スカパーの日本映画専門チャンネルがHVになった!
うれしーことです。
スカパー生活。これで尚更TSUTAYAに行かなくなる。

サマータイムマシンブルースを観た!

踊る大捜査線の本広監督だけに期待して観た!

序盤、なんだか、よく意味がわからない。

なんなんだろう?

みるのやめるか?(これが、TSUTAYAと違うところ、一本一本、借りてるわけでないので根気がなくなるのです・・・)

が!

映画なんて、そう、起承転結の起は我慢すべし!

つかみはオッケーのハリウッド映画なんかに慣れちゃうと、この起がどうにもこうにもきつくなる。

が、この起の意味のわからなさには、裏があったわけで、タイトルどおりタイムマシーンが出てきて、いわゆる仕掛けだったことがどんどこわかっていくのが爽快なのです。

ヒジョーに面白かった。

うむ。今日も得した。

舞台役者をしているころ、台本が作家から上がってくると、10回に1回くらいはタイムマシンが出てくる。

またか・・・

また、タイムマシンなのか・・・

と役者一同あきれるのですが、コテコテのタイムマシーンを使っても、この映画、バカにするどころか、バカバカしくてほんと笑える。

調べたら、元となったストーリーは洋物の舞台作品だったようで、なるほどなるほど。

世界では、ホラーだけでなく、コメディも日本のセンスが光ってますね。

アフリカで人体実験?

2007年5月7日
やっと観る事ができた、この映画。
ずっと都内の単館上映で、地元には来なかった。
仕方なくDVDですけど、観てよかった。
フィクションですけど、もちろん、でっちあげではありません。
製薬会社が新薬を開発する上で、無料救護活動といつわり開発途中の新薬をアフリカの人たちにテストをする。
こんなふざけた事実があるんです。
この映画は、そういった事実をクローズアップしていきます。

観た人に怒りと悲しみを与え、自分に何かできることがないだろうか?と考えさせられます。
青年海外協力隊出身で、NGOのOGの我が妻は、観たあとはずいぶんと固まってました。
前に映画館で「ルワンダホテル」を観た時も固まりましたが、この映画「ナイロビの蜂」に出てくるウガンダという国、かつてのルワンダのような事態が近年も起きているというのです。
でも、なぜ、報道でクローズアップされないんでしょう。
知られていない事実は知られやすい映画で、みんなで一回固まって、なにか出来ることがないか・・・って悩むところから始めないと
と思うんです

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やばい!!少女の気持ちになってしまった

2007年1月31日

男の子男の子(いや、既におっさんの域)ですが、少女女の子が主人公の小説(漫画もふくめて)って読めますか?

読めたとしても感情移入できますでしょうかはてなマーク

しょうじきなところ、けっこう難しい。。。

やっぱり統計をとってみると女性が主人公の映画には女性客が圧倒的に多いですよね。

でも、男性が主人公の映画の動員数が男性のほうが多いかと思えばそうでもない。

おそるべし。。。おんな。。。


ほんと、女の人はすごい。なんにでも感情移入できるんじゃないか?

豚のベイブでも、ホビット族でも、犬でも、ドラゴンでも。


女は偉大です。。。


まぁ、そんな話はさておきまして、おっさんだって少女が主人公の本を読むのです。

たまには惹かれるのです。

けっして危ない趣味は持っていませんドクロ


でも、ちょっとしたトランス状態にはなってるような気がします。


吉本バナナの「N.P」なんかは完全に主人公の女子大生の立場で読めましたし。

あの小説は今まで読んできた小説の中でトップ10に入る。。。


さて、今回読んだのは、これです。

きらきら/Cynthia Kadohata

最初は小さな小さな女の子から始まって、エンディングまでいっても12歳。

なかなか感情移入が難しかった。。。

偉大なお姉ちゃんが、病死するまでの「私」の変化にのめりこんで一気に読んでしまいました。

作者の自伝的小説と言いますが、幼き日に身近な人が亡くなったり、ペットでもいい、大切な存在がなくなってしまったという経験をもつ人には、なんだか何かを悟っているかのような魅力があるなぁと常日頃思っていました。

この小説を読んで更にそのことを実感しました。

この少女は12歳にしてとても深く物事を考えている。

身近な人の死を乗り越えられた人

小説家になるほどに深い人生を歩むんだなぁと感じました。

わたくし、32にして、両親ともどころか、祖父祖母4人とも健在でして人の死というものの本当の衝撃を未だ感じたことがないんです。幸せなことですが、いつか訪れるであろうその日がとてもこわい。

夢追い人にとっての現実「リアリティ・バイツ」

2006年2月2日

アーティストとして生きるを目標にして挫折

生涯芸術家。ほかのことはしない!と思っていた中高生時代

30代を超えた今の生活はと言うと「半分芸術家」

少ない芸術関連のお仕事と安定した一般的な仕事のバランスが難しい。

現実は厳しい。

芸術という分野は遊びの延長にあると思われるところが多々ある。
でも、良い意味でも悪い意味でも実際そういう要素は大いにあると思う。
それだけに、あまり固執しないで・・・という周りの目は今でも消えることはないのです。

そんな学生時代の夢を抱いたまま、実際に社会に出ていった若者がどうそのリアルの中であがいていくのかを描いた映画がこの作品「リアリティ・バイツ」

ウィノナ・ライダー主演の94年の作品だけど、今見てもまだリアリティがあるのは、当時のアメリカの若者世代の実情は今の日本の若者の実情に似ているのかもしれないから?
リアリティ・バイツ(期間限定)
結局は恋愛に逃げてしまうところも若者らしいというかとてもリアルで映画と言うより一種のドキュメントを観ているようでした。
ストーリーの中で映像を自主制作して業界に売り込むシーンがあるのだけど作りこんだ内容を大きく変えられたりすることに対して憤るとか、若さゆえの頑固さが伺える。

実際、僕の回りのあるある案件でもある。

若い人ってそこらのおっさんより頑固なんですよね。

僕の場合、歌の作詞で、この歌のここにこういう単語を入れてもらえる?と言われても「いいですよぉー」と作り変えてしまういわゆる大人のソングライターなのですが・・・

もう少しこだわりを持って作品作りをするシチュエーションも作らないと・・・ということも常々思っていますが、独断で作品を仕上げた時のほとんどが自己満足に終わっていることは否定できない。